2012/06/07

通所介護(通所リハビリ)・口腔機能向上加算 2015.4~


概要
●ST等配置●口腔機能改善管理指導計画・実施●評価(月2回を限度) +150/回
療養通所を除く通所介護費(通所リハビリ)について

【対象】口腔機能が低下している利用者またはそのおそれのある利用者
【目的】利用者の口腔機能の向上
【内容】個別的に実施される口腔清掃の指導もしくは実施または摂食・嚥下機能に関する訓練の指導もしくは実施であって、利用者の心身の状態の維持または向上に資すると認められるもの

【算定】3月以内(1月に2回まで)

※本サービスの開始から3月ごとの利用者の口腔機能の評価の結果、口腔機能が向上せず、引き続き行うことが必要と認められる利用者は、引き続き算定可

※利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環

※必要に応じて、介護支援専門員を通して主治医または主治の歯科医師への情報提供、受診勧奨などの適切な措置を講じることとする。
◆都道府県知事に届け出る基準
ST、歯科衛生士または看護職員を1名以上配置
ハ 利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従いST、歯科衛生士または看護職員が口腔機能向上サービスを行っているとともに、利用者の口腔機能を定期的に記録していること。
ニ  利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画の進捗状況を定期的に評価すること。
ホ 別に厚生労働大臣の定める基準に適合している通所介護(通所リハビリ)事業所であること。
利用者
次のいずれかに該当する者で、口腔機能向上サービスの提供が必要と認められる者とする。
イ 認定調査票における嚥下、食事摂取、口腔清潔の三項目のいずれかの項目において「1」以外に該当する者
ロ 基本チェックリストの口腔機能に関連する(13)(14)(15)の三項目のうち、二項目以上が「1」に該当する者
ハ その他、口腔機能の低下している者またはそのおそれのある者
算定できない場合
歯科医療を受診している場合であって、次のいずれかに該当する場合
イ 医療保険において歯科診療報酬点数表に掲げる摂食機能療法を算定している場合
ロ 医療保険において歯科診療報酬点数表に掲げる摂食機能療法を算定していない場合であって、介護保険の口腔機能向上サービスとして「摂食・嚥下機能に関する訓練の指導もしくは実施」を行っていない場合。
手順
イ 利用者ごとの口腔機能を、利用開始時に把握すること。
ロ 
・利用開始時に、言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員が中心となって、利用者ごとの口腔衛生、摂食・嚥下機能に関する解決すべき課題の把握を行う
・言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して取り組むべき事項等を記載した口腔機能改善管理指導計画を作成する
・作成した口腔機能改善管理指導計画は、口腔機能向上サービスの対象となる利用者またはその家族に説明し、その同意を得る

※口腔機能改善管理指導計画に相当する内容を通所介護(通所リハビリ)計画の中に記載する場合は、その記載をもって口腔機能改善管理指導計画の作成に代えることができるものとすること。
ハ 口腔機能改善管理指導計画に基づき、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員等が利用者ごとに口腔機能向上サービスを提供する。

 その際、口腔機能改善管理指導計画に実施上の問題点があれば直ちに当該計画を修正すること。
ニ 利用者の口腔機能の状態に応じて、定期的に、利用者の生活機能の状況を検討し、概ね三月ごとに口腔機能の状態の評価を行い、その結果について該利用者を担当する介護支援専門員や主治の医師、主治の歯科医師に対して情報提供すること。
ホ サービス提供時に記載するサービスの提供の記録において、利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画に従い言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員が利用者の口腔機能を定期的に記録する場合は、当該記録とは別に口腔機能向上加算の算定のために利用者の口腔機能を定期的に記録する必要はない
継続の条件
概ね三月ごとの評価の結果、次のイまたはロのいずれかに該当する者
イ 口腔清潔・唾液分泌・咀嚼・嚥下・食事摂取等の口腔機能の低下が認められる状態の者
ロ 当該サービスを継続しないことにより、口腔機能が低下するおそれのある者
継続的にサービス提供を行うことで、口腔機能の向上または維持の効果が期待できると認められるもの
看護職員配置と運動器機能、口腔機能の両方の加算算定
看護職員については、提供時間帯を通じて専従することまでは求めていないことから、本来の業務である健康管理や必要に応じて行う利用者の観察、静養といったサービス提供にとって支障がない範囲内で、運動器機能向上サービス、□腔機能向上サービスの提供を行うことができる。

※看護職員1名で、基本サービスのほか、それぞれの加算の要件を満たすような業務をなし得ることが必要である。
医師の指示
ケアマネジメントにおける主治の医師または主治の歯科医師からの意見も踏まえつつ、口腔清掃の指導や実施、摂食・嚥下機能の訓練の指導や実施を適切に実施する必要がある。
それぞれの事業所で同時に算定は想定外
それぞれ別の通所介護・通所リハビリテーション事業所にしている場合、ケアマネジメントの過程で適切に判断されるものと認識しているが、①算定要件として、それぞれの加算に係る実施内容等を勘案の上、1事業所における請求回数に限度を設けていること、②2事業所において算定した場合の利用者負担等も勘案すべきことから、それぞれの事業所で栄養マネジメント加算または口腔機能向上加算を算定することは基本的には想定されない。
「ハ その他口腔機能の低下している者またはそのおそれのある者」の具体例
例)
介護予防ケアマネジメントまたはケアマネジメントにおける課題分析に当たって、認定調査票の特記事項における記載内容(不足の判断根拠、介助方法の選択理由等)から判断される者

※認定調査票のいずれの口腔関連項目も「1」に該当する者、基本チェックリストの口腔関連項目の1項目のみが「1」に該当するまたはいずれの口腔関連項目も「0」に該当する者であっても

・主治医意見書の摂食・嚥下機能に関する記載内容や特記すべき事項における記載内容(不足の判断根拠、介助方法の選択理由等)から判断される者

・主治医意見書の摂食・嚥下機能に関する記載内容や特記すべき事項の記載内容等から判断される者、視認により口腔内の衛生状態に問題があると判断される者
・医師、歯科医師、介護支援専門員、サービス提供事業所等からの情報提供により判断される者等

※口腔機能の課題分析に有用な参考資料(口腔機能チェックシート等)は、「口腔機能向上マニュアル」確定版(平成21年3月)に収載されているので対象者を把握する際の判断の参考にされたい。


http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1f.pdf


同意
口腔機能向上サービスの開始または継続の際に利用者またはその家族の同意を口頭で確認し、口腔機能改善管理指導計画または再把握に係る記録等に利用者またはその家族が同意した旨を記載すればよく、利用者またはその家族の自署または押印は必須ではない。
歯科医療との重複の有無
歯科医療を受診している場合の口腔機能向上加算の取扱いについて、患者またはその家族に説明した上、歯科医療機関が患者または家族等に提供する管理計画書(歯科疾患管理料を算定した場合)等に基づき、歯科医療を受診した月に係る介護報酬の請求時に、事業所において判断する。
サービスの提供開始から3月後の算定
サービス開始から概ね3月後の評価で、解決すべき課題が解決されていない場合であって、サービスを継続する必要性が認められる場合は、3月以降も算定できる。
  
※サービスを継続する場合であっても、アセスメント、計画作成、評価の手順に従って実施する必要があるが、課題解決に向けて効果が得られるよう、実施方法および実施内容を見直す必要がある。
業務委託
介護予防通所介護・通所リハビリテーション事業者に雇用された言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員(派遣された者含む)が行うものであり、業務を委託することは認められない。(なお、居宅サービスの通所介護・通所リハビリテーションにおける□腔機能向上加算についても同様の取扱いである。)

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