投稿『私の目指す介護』(訪問介護・おかめ)

◆投稿『私の目指す介護』(訪問介護・おかめ)

訪問ヘルパーを始めて、六年が過ぎました。始めの頃は朝から晩まで働いて、効率的に仕事をこなそうと努力していました。

そんな状態が何年も続いて、『家事』『身体』という決められた枠を要領良くこなす技は身についてきましたが、楽しくなくなっていきました。

毎週訪問していた人が入院したと聞いて、ほっとしている自分に(もう辞めよう)と思いました。

そんな時、訪問することになった利用者さんのお話です。

お料理も掃除も自分のやり方でプライドを持って生きて来られた方で それが、体力の衰えと物忘れとともに徐々に出来なくなってご主人が介護申請をされたのですが、ご本人は『自分でやります 結構です!』と始めは家に入れてくれません。


外に置いてある バケツを持って入って『 掃除にきました』と言うと奥のトイレと風呂だけ掃除させてくれるようになり、『ここの掃除機は最新で珍しいですね~』と感心してると『あらそう、オタクはこんなのと違う?使ってみますか?』と掃除機をかけさせてもらえるようになりました。

でも『掃除に来る人がいる』という事は受け入れてくれつつありましたが、それ以上にはいきませんでした。

どうにか笑ってもらいたいと、毎週、舞台初日の芸人ようにドキドキワクワクで話かけていました。

『結構です!』の刺々しさが笑顔で抜けていきますように。

ずっと外出されてなかったので買い物に誘うと始めは『どうして他人にウチの買い物を頼まないといけないの?

結構です一人で行ってますから!』と断られていました。しかし、ひとしきり怒られてから、ご主人の後押しでなんとか外へ出てくださった日、二人になると『一人では道がわからなくなって帰って来れなくなるからね』としっかり手を繋いでくださいました。

怒っていたのは外へ行くのが怖かったんだ>と気づき、反省しました。

私を信頼して貰えるようにもっと努力しなければと思いました。

人がころころ変わるとよけいに不安になるから良くないと事務所に説明し、毎週必ず仕事を入れてもらうように頼みました。

そして、買い物に行った後『こんな珍しいものが売ってましたよ~。たまに外に行くのも楽しいですね~』とご主人に買ったものを何度も説明している姿を見ると、この笑顔が見られるなら、怒りの10分はお互いがんばって、とにかく誘ってみようと思いました。

それからも怒られたり、笑ったりしながらあっというまに二年が過ぎました。出会えた事に感謝しています。

先週行った場所や私の名前は忘れてても、雰囲気は伝わる。今そんな気がします。

『今までずっと一人だったからね こうして友達ができて うれしいわ、またきてね』と言ってもらえた日は、笑い泣きでめちゃくちゃでした。

人として大切な気持ちを忘れないように手伝える事ができればいいなあと思います。

訪問して、帰るまでにに笑えますように。

『こんなに笑ったの始めてよ~』と毎回言われますように。


それが私の目指す介護なんだと気づかせて頂きました。

『何かいいことがあっても自分一人の力だと思わずに、悪い事があってもこの程度で済んでよかったと、そうゆうめぐり合わせに「ありがとう」と手を合わせる気持ちが大事なのよ。』

こんなステキな言葉が言えるまでの90年に思いを馳せながら、そっと寄り添い、たまに笑わすヘルパーになれるようにこれからも 日々精進したいと思います。(おかめ)